京都の不動産売却・不動産査定時によくあるトラブルとその対策方法
歴史ある建造物が多い京都は、「京町家」という独特な木造家屋でも有名です。
その京町家も最近では空き家が増えていて、その理由は少子高齢化で家の相続人が居なかったり増改築が難しいなど様々。
この京町家以外に、京都では一般の不動産についても、売却するときや査定するときに、色んな問題があります。
そこで今回は、京都での不動産売却や査定時に起こりうるトラブルについて、その事例と対策法を解説します。
【京都】不動産売却や査定時のトラブル事例①土地の境界線問題
不動産売却といっても様々ですが、例えば新たに一戸建ての購入をする場合には別途土地の購入もしなければいけません。
その時に、お隣さんとの境界線問題で揉めることがあります。
揉める原因は土地を売却する前に、境界線をはっきり確定させていなかったからということが多いです。
いざ売却する時に、隣地所有者とで境界線の認識に違いがあり、お互いに一歩も引かない事態になると、最悪の場合、法廷で決着させる必要があります。
京都では土地の所有者が何代も相続している場合があり、正直、境界線がどこなのか分からないという事も有り得ます。
当然、境界線問題が解決しなければ、不動産の売却も出来ないので、必ず事前に解決しておかなければいけません。
境界線には次の3つがあります。
・隣地境界線:隣接する土地との境界線
・道路境界線:私有地と道路の境界線
・敷地境界線:隣地境界線と道路境界線の合わせた総称
土地の境界線問題の解決方法
このような土地の境界線をはっきりさせるには、土地家屋調査士に土地の測量を依頼して、隣地との境界線を明確にする必要があります。
この時、隣地所有者を立ち会わせることが必須になってきます。
この隣地所有者が見つからない場合、民間の裁判外紛争処理期間である「境界確定解決センター」に相談するほか、「筆界特定制度」を利用して法務局の筆界特定登記官に判断してもらうこともできます。
隣人との境界確認が出来たら、必ず「境界確認書」を作成しましょう。
境界確認書とは、測量図面上で境界杭や境界標の場所を確認し納得したうえで、書面に土地の売却者と隣地所有者が記名捺印した書類のことをいいます。
この境界確認書を発行している時点で、土地売却者と隣地所有者双方の間に境界線の確認がされているので、後々トラブルになることもありません。
京都では、ご近所同士が古いお付き合いという場合も多いです。
お互い良好な関係を保ちつつ、不動産売却をスムーズに進めるためには、土地の境界線をはっきりさせておくことが重要になってきます。
【京都】不動産売却や査定時のトラブル事例②仲介業者とのトラブル
マンションや一戸建ての不動産売却や不動産査定で多いのが、不動産仲介業者とのトラブルです。
仲介業者とのトラブルでは、
・売買契約締結時の契約書と説明に相違
・両手仲介
・法外な手数料を取られる
などが多く発生しています。
①売買契約締結時の契約書と説明の相違
仲介業者の中には、契約締結する前に事前の説明で、契約書とは異なる内容を話したり、売却者に対し不利になる条件をわざと告知しないという悪質な事例もあります。
契約を締結してから気が付いても遅いので、契約前のやりとりで、詳細な条件が契約書に記載してあるかを必ず確認してから署名捺印することが重要です。
②両手仲介
仲介業者が不動産売却者と買い手側両方から仲介手数料を徴収することを「両手仲介」といいます。
安値で売買を進める手法ですが、当然ながら、売主側にしてみれば損をするだけなので、何のメリットもありません。
このようなトラブルを防ぐためには、不動産査定時に一か所ではなく、複数の不動産会社に相談するようにして、その中から信頼出来る仲介業者を選択するようにしましょう。
③法外な手数料を取られる
大きな金額が動く不動産売却では、出来るだけ余計な出費は避けたいものです。
仲介業者とのトラブルでは、売却者が多額の仲介手数料を取られることもあります。
この仲介手数料は、宅地建物取引業法で請求額の上限が決められており、この金額を超えた請求は出来ません。
しかし、不動産売却の知識に乏しい売却者に対し、法外な手数料を請求する業者が京都にも存在します。
契約前に説明のなかった手付金やその他意味不明な費用を請求されたら、その時点でその業者との契約は避けるようにしましょう。
【京都】不動産売却や査定時のトラブル事例③買主とのトラブル
通常、売買契約が成立すると、まず買主側は売主側に手付金を支払います。
その後、決済する時に、残金を支払うのが通例です。
しかし、買主が手付金を支払った後、何らかの理由で残金を支払わないといったケースがあるのです。
契約書をよく確認する
このようなドタキャンをされないためにも、売買契約を交わす時には契約書に記載されている項目をよく確認しましょう。
主に確認しておきたい記載項目は以下のとおりです。
・契約の解除日とその時にどんなペナルティをあたえるか
・不動産売買価格
・振込先(口座)、もしくは支払い方法
・残金の決済日
・不動産の引き渡し日
・買主がローン審査に落ちたときの対策
基本的に契約書の内容については、不動産仲介業者にお任せということが多いです。
後悔しないためにも、これらの重要項目は自分自身でしっかりチェックしておくことをおすすめします。
契約解除日前なら手付金の返済義務はない
契約書で交わした契約解除日前に、万が一買主側が契約の解除を申し出てきた場合は、すみやかに契約を解除しなくてはいけません。
この時に「手付解除」という制度を利用しましょう。
これは、契約期限日の前に買主側から契約を解除された場合、買主が支払った手付金を売主側が返却しなくてもいいという制度です。
この制度があることで、売主側は契約してくれなくても損をすることがありませんし、この手付金を元手に新たな買主を探すための資金として利用することができます。
手付解除日後に買主が支払い拒否をしても残金請求はできる
この手付解除日が過ぎた後、買主側に残金の支払いを拒否される場合があります。
こんな場合も当然ですが、買主側に残金を請求することが大事です。
中には再三請求をしても支払いを無視する買主もいるので、そんな時はしかるべき対応をとりましょう。
最初は、電話や直接口頭で残金を催促します。
それで相手から何の反応もなければ、内容証明郵便を送るようにしましょう。
なぜ内容証明郵便かというと、最悪、法廷で争うことがあるためです。
そうなったとしても、内容証明郵便を送っていれば、それが「請求を催促したが買主に無視された」という証拠書類となり、裁判で勝訴する可能性が高くなります。
売買契約を撤回することも考えよう
万が一、裁判になって売主側が勝訴しても、買主に支払い能力がなければ、残金を回収することは不可能になります。
その場合、ひとつの方法として、売主側が売買契約を白紙に戻すことも視野に入れましょう。
通常、売買契約を解除する時には、売主側が買主側に、手付金を倍にして返済しなくてはいけません。
しかし、この手付金を一切返済せずに契約を解除することも可能です。
それは返済期日を過ぎてから契約の撤回をすることです。
返済期日を過ぎても、買主側からの支払いがないことが証明されれば、買主側の非が認められると共に、返済責任の追及をすることができます。
【京都】不動産売却や査定時のトラブル事例④不動産査定時のトラブル
京都では京町家の空き家が多くなっており、その原因は家の跡継ぎ問題や保有していても住居していないなどいろいろあります。
家を売却しようとしたときのトラブルも、その原因のひとつです。
不動産を買い取ってもらうためには査定が必要ですが、不動産会社が適正な査定価格を提示してくれないといった場合があります。
無料査定を利用するなら複数の業者から見積もりをもらう
最近、インターネットで不動産査定を無料でしてくれる会社が増えていますが、査定価格はあくまでも参考程度で考えておく必要があります。
なぜなら無料サービスということと、売り手側がネットで不動産情報を伝えるだけなので、実際に現地で査定してもらうのとは査定価格に大きな差がでる可能性があるからです。
したがって、無料査定をしてもらうなら、一社ではなく、複数の不動産会社に依頼しましょう。
なるべく多くの会社から見積もってもらい、その中から適正だと思った会社に不動産査定をしてもらうことがベストです。
また、無料査定をした会社から、しつこい営業メールや電話がかかってくることも考えられますが、中には不当な査定額を提示してくる悪徳業者もいるので、はっきり断りましょう。
不動産査定なら地元に根付いた不動産会社へ依頼する
京都で不動産査定をしてもらう時にはやはり地域に密着している不動産会社に依頼しましょう。
大手の不動産会社の中には、ネットで査定依頼をするだけで、大まかな査定額を提示してくれますが、この場合、必ずしも地元の不動産会社が査定をしているとは限りません。
多くのネット査定の場合、過去の査定経験のデータをもとに査定額を提示することが多いです。
この査定額を信用して正式に依頼すると、実際の査定額との差にビックリする方も多いのです。
したがって、不動産査定を依頼するなら、地元の不動産会社を選ぶようにしましょう。
京都の不動産に精通しているので、「この地域のこの間取りの住宅ならこの査定額」というように、より詳細な情報から査定してくれるので、信頼性が高いのです。
まとめ
今回は不動産売却や査定時にあるトラブルとその対策について解説しました。
不動産売却や査定時には様々なトラブルがつきものであり、不利益を被る可能性もあります。
京都で不動産の売却や査定依頼を検討している方は、これらのトラブルに充分注意しましょう。
トラブル事例と対策を把握していれば、リスクを回避しやすくなるので覚えておいて損はありません。
売り手、買い手、不動産会社、この三者がウインウインの関係で契約ができるようにしたいものです。